『アルケミスト 夢を旅した少年』引き寄せの法則の知恵が詰まった冒険奇譚【書籍レビュー】

2017 6/20
『アルケミスト 夢を旅した少年』引き寄せの法則の知恵が詰まった冒険奇譚【書籍レビュー】

こんにちは!みろくです!

今回は、羊飼い少年が夢で見た宝物を巡る”引き寄せ冒険奇譚”『アルケミスト - 夢を旅した少年』をご紹介します!

名作なのでご存知の方も多いかと思いますが、未読の方には是非読んでいただきたい一冊。この記事を投稿した時点では、Amazonの”その他の外国文学”カテゴリでベストセラー1位です。

本書の中には特に「引き寄せの法則」なんて言葉は出てきません。でも、起こる出来事は引き寄せの連続で、そしてたくさんの英知に溢れています。スピリチュアルな要素も満載ですよ。

目次

あらすじ

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アルケミストとは「錬金術師」のこと。
古代ギリシャの時代から黄金を生み出す技術を持った人を錬金術師と呼んでいます。

錬金術師は「賢者の石」や「病気治療の霊薬(エリクサー)」を持つとされていますが、RPGでは聞き覚えのある名前ですよね。

あらすじ

物語は、スペインの羊飼い・少年サンチャゴを主人公に進みます。
彼は、「ピラミッドの近くに眠る宝物」の夢を二回も見ました。そのことを気にかけて暮らしていると、様々な出来事が彼をエジプトへ導こうとします。

旅立つ決心した少年は、長年連れ添った羊たちを売り払い旅に出るのですが、多くの挫折が待っていました。何度も羊飼いに戻ろうとしますが、物語を通して描かれる「前兆」に従うことを学んだ彼は、ついには砂漠を渡りオアシスにまでたどり着きます。

そのオアシスで、錬金術師と出会うことになるのです。
砂漠の厳しい環境や部族間の戦争に巻き込まれる中で、彼は錬金術師から人生の英知を学んでいき、ついには…


と、こんな感じのあらすじです。

ブラジルの作家「パウロ・コエーリョ」の1988年発表の作品で、アンデルセン文学賞なども受賞しています。

文体も読みやすく、最後まで一気に読み終わります。ページ数も多くありませんよ(笑)

「前兆」が導く夢の実現への道

物語を通して、終始「前兆」がキーワードになっています。前兆とは、虫の知らせや奇妙な偶然、出会いなどを指して、それに従うと「道が拓ける」という教えが語られます。

物語の序盤に王様と名乗る老人と出会い、以下の助言を受けます。

宝物を見つけるためには、前兆に従って行かなくてはならない。神様は誰にでも行く道を用意していて下さるものだ。神様がおまえのために残してくれた前兆を、読んでいくだけでいいのだ。

アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

王様は「おまえがこれからやることはこれ1つしかない」とまで言うのです。

最初は少年も老人に怪しさを感じていましたが、マントの下の黄金の胸当てを見た時に「本当に王様なんだ」と確信します(結構ゲンキンな少年です 笑)。

王様は少年に「ウリムとトムミム」という白と黒の石を授けます。質問の答えをYesNoで占う道具なのですが、王様からは「できれば自分で決めるように努力しなさい」と助言をされます。

でも前途多難な旅のスタートでした。最初に訪れた異国の街で詐欺に会い、羊を売って手に入れたお金をすべて無くしてしまいます。

その時に彼は選択を迫られます。

彼は自分のことをどろぼうに会ったあわれな犠牲者と考えるか、宝物を探し求める冒険家と考えるか、そのどちらかを選ばなくてはならないことに気がついた。
「僕は宝物を探している冒険家なんだ」と彼は自分に言った。

アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

その後も何度も無一文になるのですが、その度に少年は必要なお金を取り戻し、旅を続けることが出来るのです。このことは本当に勇気を貰えます。「必要なものは与えられる」ことを、物語を通して描かれているのです。

クリスタル商人と商売

無一文になった彼は、丘の上にあるクリスタルを売るお店で働くことになります。そこで羊を買い戻すお金を稼いで、故郷に戻ろうと考えていました。

物語前半のこの部分が、僕のお気に入りなんです。

そのクリスタル店は、坂を登らないと訪問出来ない場所にあり立地的に不利なお店でした。でも少年は、その不利な状況を活かし、工夫を重ねて、ついには繁盛店にさせてしまいます。

このあたりは成功哲学にも通じるものがありますね。

少年は羊飼いをする中で、「観察」することを学んでいました。同じように見える羊を見分け、どの羊がどんな様子なのかを見極められるのです。その「観察力」が、少年にアイデアを与えてお店の発展に貢献をしたのでしょう。

店主である商人も、最初に少年が訪れた時にお客が増えたことを「良い前兆」と捉えて、彼を雇い入れることになるのです。

この商人は、敬虔なイスラム教徒で聖地巡礼を夢見ていました。でも、自分には叶えられないと思い込んでいます。今の安定した暮らしの変化を恐れ「分かっちゃいるけど変えられない」という良くある人生の側面を表している人物。

少年はこの店で2年働き、羊を買い戻すお金を充分に稼ぎました。ふと商人にあの王様の面影を見て、それを「前兆」だと捉えます。稼いだお金は砂漠を越えるのに充分な金額であることに気づき、再びエジプトを目指すのでした。

砂漠越えから錬金術師との出会い

後半からはエジプトを目指す為に砂漠を渡ることになるのですが…
ここまでネタバレに近い紹介をしてしまったので、ここからはさらっと^^。

砂漠を渡るキャラバンの中で「錬金術師」を探しているイギリス人と出会います。そして、途中に立ち寄ったオアシスで、少年と「錬金術師」が運命の出会いをするのです。

ちなみに、このイギリス人は主人公と対照的に描かれ、「観察力」に乏しく、本の知識に貪欲な「頭でっかち」なタイプ。物語的には少し滑稽に描かれているイギリス人ですが、少年も彼の夢を讃え、錬金術師も彼を認めている描写に、とても大きな愛を感じます。

その錬金術師は、少年にこう伝えます。

お前の心があるところに、お前の宝物が見つかる、ということを覚えておくがよい。そこにたどり着くまでに学んだすべてのことが意味を持つために、おまえは宝物を見つけなければならないのだ。

アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

旅の途中に少年は、様々な障害と出会います。砂漠を渡る間に紛争が始まり、命の危機も訪れます。何度も読み直していると、まるで不運や無駄足の経験も、結果的には彼に必要な事だったのだと気づかされるのです。

僕たちが今、たとえ願望実現の途中で苦しんでいても、それは必要があってのことなんだと示唆しているようです。

勇気と知恵に溢れた名作

さて、クライマックスに向けては、錬金術師と少年がエジプトを目指しますが、物語としてもとても圧巻なシーンの連続で、ラストのオチも心地よい!途中オアシスで運命の女性と出会うのですが、その女性と少年のこれからを祝福せずにはいられなくなります。

主人公の少年は、決してポジティブ思考な性格でもなく、悩みを重ねる普通の少年です。
旅の途中で何度も悩みつまづきます。それでも導きは常に起きていて、「前兆に従う」という事に身を委ねていくと、必ず夢にたどり着くことを教えてくれます。

僕たちも、上手く行かないことが続くと願望実現を諦めようと思うことが何度もあるでしょう。ネガティブな思いを抱えて「こんなんじゃダメだぁ」と落ち込むこともあります。でも、どんなにつまづいても「最後には願望実現に導かれる」と教えてくれる物語なのです。

願望実現を夢見る勇者の皆さんに、必要なのは「前兆に従う”勇気”だけ」だと伝えてくれる一冊になっています。オススメです。

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